甲州貴石切子は当店で力を入れて特集ページを設けているジュエリーです。
私が最初にこのルースを見たのは、まだ甲州貴石切子が世間に発表されていなかった2015年の秋頃だったかと思います。神戸の“優美”さんが甲府に行かれた時に、カッターの清水さんが面白いものを作っておられたと、持ち帰って来られたのを見せて頂いたのが最初でした。その後、IJTで発表されて爆発的に人気が出たルースです。主にクォーツやトパーズやトルマリンなど、透明感のある半貴石の表を清水さんがカットされ、裏面に深澤さんが切り細工を施されて完成するこのルースは大変魅力的なルースです。ムンシュタイナーもそうですが、石にこのようなカットを施されることによって、付加価値がついた芸術品だと私は思っています。今はお二人で色々な石で試されているようですので、今後は更に面白いものが出来るのではないかと大変期待しております。
一度JJFで作者のお二人にご挨拶する機会がありましたので、幾つか質問させて頂きました。甲州貴石切子は透明感のあるルースの方が綺麗なため、私は色の薄い非加熱のサファイアが使えるのではないかと思っておりましたが、サファイアは硬度が9で硬すぎて細工を彫り込めないとのこと。またブルートパーズは原石が少ないため、リカットになることが多く、高さの低いノーマルカットが多いのもそのせいだとのことでした。高さのあるものは大きな石をリカットする必要がありますから、したがってお値段も高くなるそうです。当店で出しているリングやネックレスも、ブルートパーズは少しだけお高くなっております。
当店でデザインしている甲州貴石切子には惑星シリーズと和モダンシリーズがあります。惑星シリーズはまだ未完成の木星と土星が完成すれば、シリーズも完成することになるため、頑張って作ろうと思いますが、土星は男性向きのリングを作ってみようかとも考えている最中です。現在掲載中のもの以外にも既に沢山出来ておりますので、整理しながら少しずつ掲載してまいります。
和風にも洋風にもマッチする甲州貴石切子のルースは、今後も益々グローバルに知名度が上がって行くのではないかと思いますが、まずはこちらのカットの素晴らしさを沢山の方々に知って頂きたいと思います。